こんにちは。「ホリマリ クリエイティブワークス」グラフィックデザイナーのホリマリです。私は個人事業主なので、個人のブランド力はとても重要だと認識しています。
今回はホリマリが思う、個人がブランド力を上げることの重要性と、私が過去に行ってきたデザインブランディング戦略を書いていきたいと思います。少しでもあなたの参考になれば嬉しいです。
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◾️ブランドって自分(企業)ではどうにも出来ない自分(企業)のイメージそのもの
ブランドと聞くと「人気の高級ブランド」を思い浮かべる人も多いと思います(特に日本はそうらしいです)。もちろん、それらは誰もが知るブランドですよね。・・・って、そう思う「イメージ」がブランドの正体です。
つまり企業(個人)の提供する商品やサービス自体や、それを提供する企業(個人)に対して消費者が感じるイメージがブランドということになります。
なので、「感じる相手」がいる話となります。
ということは、商品やサービスを提供する企業(個人)だけではどうにも出来ないものという事になりますね。
ただ、デザインブランディングを取り入れることで、全く「どうにも出来ない」わけではありません。企業はこれをしっかりコントロールして欲しい結果につなげています。
「どう感じて欲しいか」を企業(個人)側から情報発信する
「このように感じて(認識して)ください」とダイレクトに発信することもできれば、最終的に「このように感じて」もらえるように戦略的に情報発信していくこともできます。
ここでポイントなのが、それに対して「どう感じるか」は消費者の自由ということですね。「このように感じて(認識して)ください」という情報発信に「なんでやねん」と感じる人もいれば、「へえー、そういう企業(個人)なんだ」と感じる人もいます。
また、最終的に「このように感じて」もらえるように戦略的に情報発信を繰り返し行った結果、最初は良いイメージがなかった人の気持ちが、徐々に変わっていくこともあります。なので、企業(個人)側から行う情報発信(デザインブランディング)は、とても重要ということがわかります。
◾️ブランドは規模ではない
もう一つのポイントは、ブランドは規模ではないということです。誰もが知る企業だけがブランドではない、ということですね。提供する商品やサービスがあれば、それに対しての消費者のイメージがブランドとなるわけですから、ブランド規模は大きくても小さくても関係はないという事です。
例えば、誰にも知られていない商品やサービスであれば、そもそも誰もイメージする事も無いでしょうから、それはブランドとして認識されていないもの、という事になります。
その商品やサービスは「何のために作られたのか」を考える
では、その商品やサービスは「何のために作られたのか」を考えてみてください。それは商品やサービスを提供して、対価を得るためですね。対価はその価値と引き換えになるお金の場合もあれば、「知ってもらう」こと自体が対価の場合もあります。どちらにしても提供する商品やサービスを、その価値に見合った対価と交換するためであることは確かです。
であれば、誰にも知られていない商品やサービスのまま、ブランドとして認識されていない状態はかなりの「問題」であり、そもそもその事業は成り立たないという事になります。
◾️「自分の好きな事」「得意な事」を仕事にしたいと考える個人に当てはめてみる
今は「自分の好きな事」「得意な事」を仕事にしたいと考える人もかなり増えたと思います。特にコロナ発生以降、インターネットでのサービスの提供や商品販売など「自分の好きな事」「得意な事」を商品やサービスに置き換えて、販売することを頑張っている方も多いでしょう。
サービスの提供や商品販売を行った瞬間から発生する事業経費
サービスの提供や商品販売を行うことは「事業」となります。ボランティアではありませんから、そこにはもちろん事業経費が発生します。
商品販売のために仕入れた資材などは、実際にお金が動くのでわかりやすい例ですが、例えば商品制作やショップ制作、SNSでの発信などにかかっている「時間」はどうでしょうか。自分の持つ時間ですから使っても支出は増えませんが、全国の最低賃金で換算するとかなりのまとまった金額になるかと思います。
ですので最初からひとつの「事業」ととらえて、いつから利益を計上できるかの事業予測も立てつつ、計画的に動くことが大事になってきますね。
事業計画を立てることで見えてくるもの
計画なしに船出をすると、自分の立てた欲しい目的を到達するのに、いったいどのくらい時間がかかるのかわかりませんね。時間が予測できないということは、その期間にかかる事業経費は全て持ち出しという事にもなりかねません。
まずは使える資金の把握も含めて「いつまでに、どのくらいの利益を達成するのか」の事業計画を立てる事はとても大事なことと言えます。計画を立てることで逆算ができます。逆算ができると「いつまでに何をしなければならないか」ということが見えてくるわけですね。
◾️あなたの個人ブランドとしてとらえる
前置きがかな〜り長くなってしまいましたが、ここからやっと「個人がデザインで認知度を上げるデザインブランディング」についてのお話ができそうです。
最初に書いたとおり、ブランドは「企業(個人)の提供する商品やサービス自体や、それを提供する企業(個人)に対して消費者が感じるイメージ」ということでしたね。
あなた自身に置き換えてみましょう
上記の定義をあなた自身に置き換えると、「あなたの提供する商品やサービス自体や、それを提供するあなたに対して消費者が感じるイメージ」が、あなたのブランドということになります。
そして「どう感じるか」は消費者の自由ということでしたね。
あなたは、あなた自身のブランドイメージの構築に、「このように感じて(認識して)ください」とダイレクトに発信することもできれば、最終的に「このように感じて」もらえるように戦略的に情報発信(デザインブランディング)していくことができます。
ここで言う「このように感じて(認識して)ください」とダイレクトに発信するということは、文字通り「このように感じて(認識して)ください」と発信する意味ではありません。企業CMでもあるように商品自体の宣伝ではなく、その企業の存在意義やポリシーなど、企業自体を認知してもらうための情報発信のことを指します。これを個人に置き換えてみてください。あなたのお客様に対する思いやその事業に対する情熱など、さまざまな発信の方法が考えられますね。
ここで気をつけなければならないのが「個人でする情報発信」の性質です。
「一方的に発信される情報」には許容できる量の限度がある
それはテーマと頻度です。SNSでの発信のテーマ(内容)が、明らかにお知らせや宣伝である場合、フォローしてくれている人のスマホをジャックするくらい頻繁に投稿をすると、いい印象は持たれません。
SNSは基本「一方的に発信される情報」です。そしてフォローしている人たちの投稿がフィードに流れてきます。もしそこがあなたからのお知らせや宣伝投稿だらけになったとしたら・・・他にフォローしている見たい人の投稿がなかなか見れなくなりますね。結果、フォローを解除されることにつながります。投稿の頻度は常識の範囲内に抑えるようにする必要があります。
どんな価値を提供できるのかを考える
あなたが発信する内容が「お知らせや宣伝」だとしても、それは「お知らせや宣伝」という認識ではなく、あなたの商品やサービスで得られる「価値」を発信していくと認識するようにします。それは自分の言いたい事を一方的に発信するのではなく、見る人のことを1番に考えた投稿をすると常に心がけるという事です。
あなたのブランドは「あなたの提供する商品やサービス自体や、それを提供するあなたに対して消費者が感じるイメージ」で作られていきます。あなたの伝えたい相手を一番に考えた情報発信(デザインブランディング)の積み重ねは、あなたのブランドを正しい方向へとイメージアップしていくことにつながります。
◾️「どのように知ってもらうか」がデザインブランディング戦略
戦略と言うと「相手を丸め込む」ような印象を持たれるかもしれませんが、そうではありません。ブランドがイメージの塊であるなら、そのイメージを正しく伝えることが、私の言う「戦略」になります。
つまり「あなたの提供する商品やサービス、そしてそれを提供するあなた自身」をどのように知ってもらうかは、SNSであれば1つ1つの投稿の積み重ねで出来上がっていくものですので、正しく認識してもらうための手段ということです。
そこには言葉では上手く表現できない「印象」が存在します。
「このように感じてもらいたい」印象を積み上げていく
これは虚像を作り上げるという意味ではありません。仮に虚像を必死に積み上げて行ったとしても、そこには実態がある訳ではないので必ず崩壊します。私のいう「このように感じてもらいたい」印象とは、実態のあるもの、つまり事実のことです。実態のある事実をどう発信するかによって、印象が変わってくるという事です。
例えばデザインブランディングとしての「色」
発信する情報の「色」はとっても重要です。例えば Instagram の場合を例にとってみると、postされた投稿はあなたのプロフィールが表示される画面の下に並びますね。少しスクロールすれば 12〜15個のpostされた投稿が並びます。
1つ1つの投稿だけを見ると色が何であってもあまり気にはなりません。それがプロフィールの下に並んだ瞬間に「色」というものの存在が突然大きくなります。それは、そこに集まった1つ1つの投稿の、見える範囲全体から感じられる「印象」となるからです。
ですので、企業がブランドカラーを決め、それを軸にデザインを展開していくのは、1つ1つの個別の商品よりも、全体として見た時のカラーが、その企業を表すブランドカラーになることが重要だからです。
ブランドカラーはなぜ重要?
わかりやすい例で説明すると、カラーなどで特にわかりやすいのがティファニーブルーです。
ティファニーブルーは実際には 「PANTONE 1837」というカラーとのことなのですが (Tiffanyは1837年創業)、 ティファニーとPANTONE間での特別な契約があり、 一般では見ることも使うこともできないカラーとなっています。 (PANTONEは世界共通の色見本の商標です)
そのくらいティファニーにとって、 あの爽やかなティファニーブルーという コーポレートカラーは重要ということですね。
このように「色」は企業(あなた自身、あるいは教室やサロン)の象徴として周りに認識してもらうことで、その色を見ただけでその企業(あなた自身、あるいは教室やサロン)を思い起こさせる重要な役割があるわけですね。
あなたのブランドカラーとしてふさわしい色を決め、その色を軸に情報発信を行うことで、あなたのブランドをイメージさせる「色」を味方につけることができます。
◾️「まとまり」という印象を意識する
軸になる色を決め、色を味方につけると、全体で見た時の印象にまとまりが生まれます。そのためには何でも思いついたものをバンバン発信していくのではなく、発信する投稿の順番や流れを戦略的に行う必要があります。
考えるべき点は、例えば Instagramならプロフィール画面のブランドカラー全体の「分量」や、色の「かたまり」方、リズム、余白など。これらを戦略的に積み重ねながら整えていくことで、全体からあなたのブランドらしさという「印象」が生まれてきます。
「このように感じてもらいたい」印象は言葉にしておく
印象は感じ方ですから、人それぞれです。なので、あなたのブランドの「このように感じてもらいたい」という印象は言葉にしておくとわかりやすいですね。これは、あなたの中で確認するためのもので、言葉にしたものを「言葉」で発信するためではありません。
言葉にしておくことでコンセプトがハッキリし、ブレなくなります。また、コンセプトという基準があるので、いつもそれが表現できているか、判断するための基準になります。
◾️ブランドを育てるという意識を持つ
周囲の認知を得るには、それなりに時間を要するものです。 また、デザインブランディング的にもブランドのポイントとなるものを違和感なくさりげなく使うことで、いつのまにか「これはあの人のブランド」と見ればわかるようなものに「育つ」のです。
実際ホリマリが実践していたものは?
私の場合、ブランドが育つことで、取り入れるものも成長とともに変化してきました。初めの立ち上がりの時期に実際ホリマリが実践していたデザインブランディングは
(1)クレジット
(2)色
(3)数字とフォントの組み合わせのデザイン
(4)アイコンやパーツ
などがありました。
おもにInstagramやfacebook、ホリマリ クリエイティブワークスのHPなどで使用していました。現在はブランドが育って、HPもリニューアルして、第二ステージ?へと入ったと感じています。
では、立ち上がりの時期に取り入れていた戦略を少しご紹介しますね。
(1)クレジット
クレジットとは、書物・写真などに明記する著作権者・原作者などの名前のことです。ロゴマークとは違います。私はインターネット上の自分の画像には必ず入れるようにしています。過去に何度も勝手に使われたり、販売されていたりしたことがあるからです。
当時はまだ誰も画像に文字を入れている人はいなかったので、どうせ入れるならその画像に合ったデザインで、素敵に入れようと思いました。ただ主役はもちろん画像で、クレジットは言わば署名のようなものですから、できるだけシンプルに、自分らしく入れることを心がけています。
クレジットの場所はフレームの下部の中心、色はフレームは黒、クレジットは白です。クレジットの濃度をその時の画像やデザインのテイストによって変更しています。
黒フレームとクレジット(白色)のサンプル
黒フレームとクレジット(白色)のサンプル
(2)色
例えばInstagramではプロフィールのページに、おそらく6~9枚ほどの画像が表示されます。 スクロールすることで私のiPhoneでは15枚の画像が並びます。その6~15枚のさまざまな見え方全てに「共通の世界観」を与えています。
その一番わかりやすいのが先ほどもお話しした「色」です。私の場合、基本のブランドカラーと、それをとりまくサブカラーを決めています。メインのブランドカラーは「黒」です。 黒を基本とし、サブカラーが「白」と「グレイ」になります。Instagramなどの投稿には、必要に応じてその他のカラーが入った pic を間に差し込みます。
例えば Instagramで「黒」をベースにする方法として、
・黒のフレームを使っている。
・基本的に白系(明るい)と黒系(暗い)画像を交互に掲載する。
などを実践していました。
Instagramのプロフィール下の画像。
年末年始のキャンペーンのために、かなり派手になっています。
当時、通常こんな感じですが、これも色が入っているほうでした。
(3)数字とフォントの組み合わせ
数字を使った文字組をデザインの一部として画像に配置していました。 それを初めた1番の理由は、他の誰もインスタでそのようなグラフィックスをやっていなかったからです。「これはあの人のデザイン」と見ればわかるようなものに「育てる」ためのデザインブランディング戦略の1つですね。
あと、エレガントなもの、モダンなもの、アンティークなもの全てにとても合い、見る人の印象に残ることもデザインブランディング戦略として採用た理由です。
数字は picをアップした日付を入れています。画像やデザインにより文字組も文字の色も毎回少し変化させていますが、文字色は基本、黒と白以外は使用しません。
またフォントですが様々なテイストにもずっと同じフォントを使うことができる、自分の世界観に合ったフォントを選択しています。
7月29日 バージョン1
6月7 日 バージョン2
8月 31日 バージョン3
7月5日 バージョン4
(4)アイコンやパーツ
偏った私のブランドの志向を表すのがこのアイコンやパーツです。 花や葉っぱ、赤い実、ツバメなどの鳥、てんとう虫や蝶、リボン、インクとペン、エッフェルなど・・・
躊躇せずに使います。自分の代名詞として、いわばハンコやサインのようなもの。かといって使う場面には流れやストーリーを考えて、それに沿ったものを使用します。
可愛いものばかりですが、優秀なデザインブランディング戦略の1つです。アイコンは目につきやすく、印象に残りやすいので「これはあの人のデザイン」と見ればすぐわかるように仕掛けています。
プチ・デザイナーコースのイメージ。
ビジュアルにもリボン、ツバメ、赤い実、てんとう虫を入れています。
プチ・デザイナーコースのバナーにも
リボン、ツバメ、赤い実、てんとう虫が入っていますね。
日常のpicにもリボンやてんとう虫、蝶々を入れています。
写真の中にも赤い実。スタイリングにもデザインブランディングを意識します。
デザインとブランディングは、私の場合は密接に関係しあい、デザインがあるからブランディングが強固になり、ブランディングがあるからデザインも的確に考えられます。
いまのような世界情勢の中で、自分にしか表現できないものを自宅にいながらデザインしたり、作ったり、発信したりできるスキルは働き方の1つのスタイルとして、あるいは今力を入れていることの情報発信の見せ方として、今後益々必要となっていくと思います。
◾️ 個人が正しく認知度を上げるためのデザインブランディング まとめ
ホリマリのブランドの定義を個人に落とし込むと「あなたの提供する商品やサービス自体や、それを提供するあなたに対して消費者が感じるイメージ」が、あなたのブランドそのものです。
イメージを感じる相手がいるという事は、あなただけではどうにも出来ないものという事になりますが、「どう感じて欲しいか」をあなた側から情報発信することで、最終的に「このように感じて」もらえるように戦略的にデザインブランディングを行うことが可能です。
それは、虚像ではなく実態のある事実を正しく戦略的に発信することによって、あなたのブランドの認知度を「このように感じて欲しい」という印象と共に上げていく手法となります。
具体的な方法をぜひ参考にしてみてくださいね。
周囲の認知を得るにはそれなりの時間は必要ですが、あなたの地道な活動が、いつのまにか「これはあの人のブランド」と見ればわかるようなものに正しく育つことを願っています。
さまざまなマーケティングやブランディングがある中で、デザインブランディングを実践してみたいという方は、まずはデザインを実際に作って触れるところからスタートできます。
最後までご覧くださりありがとうございました。
ホリマリ (”ー”)XOXO♪
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