こんにちは。「ホリマリ クリエイティブワークス」グラフィックデザイナーのホリマリです。
デザイナー歴も長い私ですが、知り合った人に職業を名乗ると、ほとんどの方に「デザインができるなんて羨ましい」「才能がないとできない仕事よね」などと言われます。でも、そんなこと全然違っていて、誰だって興味を持って学べばデザイナーのようにデザインができるようになると思っています。「興味を持つ」ところまでは行けても「学ぶ」に踏み切れないのはデザインが特殊なことだと思うからではないでしょうか?
今日はデザインは「特殊」な才能がある人だけのものではなく、「特殊」な表現力や構成力などを学んだり吸収したりしながら手に入れるものだということ、そして、デザインを学ぶと付いてくる、思いもよらない贈り物についてお話したいと思います。少しでもみなさんの参考になれば嬉しいです。
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◾️デザインって特別じゃ無いけど、本当は特別なことかも
-一般的なデザインスクールで学ぶことってどんなこと?
一般的にDTP (デスクトップ・パブリシングの略で、デザイナーの指示の元、印刷に出すまでの一連の作業を行うこと)などのテクニックをマスターすることがデザインコースというスクールが多いですが、私のデザインコースはデザインすること、デザインできるようになることを中心にしたコースとなっています。(もちろんDTPもやります)
究極のことを言えば、考えたデザインをカタチにするための具体的なテクニックは、独学でイラストレーターやフォトショップなどのグラフィックソフトを習得すれば何とかなるわけです。ただ、前回の記事でも書いたのですが、テクニカル本などを使って独学でイラストレーターやフォトショップなどのグラフィックソフトを習得するのは、けっこう大変なんだなあ〜と思いました。
気になる方はぜひ「【デザインを学ぶ】デザインを仕事や人生に生かしたい方へ」という記事の「デザインを学んでみたい。でも何からどう始めればいいの?」の見出し中の「テクニカル本の落とし穴とは?」の部分を参考にしてください。
イラストレーターをお持ちでない方は、こちらの記事でイラストレーターを使用するためのダウンロード方法を解説しています。
イラストレーター(Adobe Illustrator)をダウンロードして使ってみよう!
-デザイナーとDTPオペレーターの違いとは?
でもそもそものデザインは何で成り立っているかと言うと、その人自身の経験と考えとで構成されています。何でも作れればデザインと言うなら、デザイナーは即刻職を失うでしょう。オペレーターにならパソコンが触れれば誰でもなれるからです。DTPオペレーターはそんなデザイナーの作るデザインカンプを元に入力し、組み上げていくのが仕事。つまりデザイン知識は学ばなくてもDTPさえマスターすればなれます。
でも、未だにデザイナーという職が無くならないのは、デザイナーが生み出すデザインは、見た目の素晴らしさプラス、クライアントの目的を達成させるものであるように、緻密に計算されてデザインを起こしている所にあります。デザインをしたもので結果が出るのは、偶然ではなく必然であるということです。だからオペレーターには逆立ちしても同じ結果は出せないのです。
ただパソコン操作ができて、グラフィックソフトが扱えても、デザインの知識がなければ、それはデザイナーでは無く単なるパソコンができる人です。そこにDTPの知識があればDTPオペレーターにはなれますが、それでもやはりデザイナーではありません。
◾️デザインができるようになるということは、あなたにとって誰も持っていない魔法を手にしたのと同じです。
-では、デザインを学ぶことの価値とはなんでしょうか?
デザインを学んで思いを表現する力(デザイン力)を手にいれるということ、それはあなたがしたいことの全てを叶えるスタートラインに立てるということです。しかも誰も持ち合わせていない、戦う全ての武器を備えた状態で、です。
パソコンができる、素敵な写真が撮れる。今やそんなことは当たり前。パソコンなど小学生でも扱える時代です。これから先、どんどん「パソコン操作など当たり前」という、そんな若い人が私たちと同じ世界に入ってくるのです。
でも、その中で「デザインができる」ということの特殊さだけは変わりません。パソコンだけができる人とは大きく違う能力を持つこと。それは同じフィールドやカテゴリーにいる人ができる最高のことよりも、もっときめ細かく、美しく、人の心を掴むことがデザインでできるということであり、それはまさしく特殊なことなのです。
でもまだまだ腑に落ちませんよね? デザインができるということは、本当にしたいことができるということなの? しかも誰も持ち合わせていない、戦う全ての武器を備えた状態って、誰も持ってない魔法を手にしたって、どういうこと?わかりにくいかもしれませんね。
では具体的に見てみますか。
◾️デザインができるようになるとどんなことが起こるの?
-この世界に存在する人間が作ったものには、ほとんど全てデザインがある。
小さなチョコ1つとっても、お店で中身を味見してから「美味しければ買う」わけではありません。小さなチョコのパッケージから、食べた時の「味」や「香り」、食べた時に感じる「感覚」や「感情」、また、食べる「シチュエーション」までも感じ取り、「よし、これならきっと満足するだろう」と予測したからこそ、私たちはお金を支払って手に入れるわけです。
-判断材料になる「情報」という名のデザイン
では一体何を見て、私たちはそう判断しているのでしょうか。
それは「デザイン」です。
もし、お店にあるチョコが全て中身の見える透明のセロファンだけのパッケージングで販売されていたら、隣のチョコとどう違うのか、判断材料になる「情報」が少なすぎて、どう選べばいいのか困ってしまうでしょう。みんな意識はしていないかもしれませんが、実はしっかりデザインを見て判断しているんですね。
-初めから、あなたがそれを買うことは決まっていた。
例えばあなたが「恋人と一緒に食べたい」と思って買ったチョコは、あなたがそう思うようにデザインされているということです。「恋人と一緒に食べたい」と思う、あなたのような人をターゲットに据え、恋人と一緒に食べたいと感じるようなデザイン戦略で、ネーミングも、色も、図柄も、フォントも全て(もちろん価格までも)そう感じるよう仕掛けられているということです。
-デザインができるということの本当の意味。
ここまでお話しすれば、感のいい人は気づくと思います。「デザインを知ること」がどれだけとてつもなく強い強い武器を手にしているか、ということの本当の意味を。
デザインができるということは、思い通りにターゲットの行動をコントロールできるようになる、ということです。とてつもなく強い強い武器を手にしていると言った意味が理解していただけましたか?
◾️自分の思い描いた世界を、デザインで自由に表現できることの喜び
さきほどデザインができるということは、思い通りにターゲットの行動をコントロールできるようになる、ということだと書きましたが、もう少し身近な表現をしてみましょう。
武器などと物騒な表現をしましたが、「デザインができる」という力を身につけたら、今の時代、そのくらいすごいパワーのあるチカラを持ったことだと本気で思っています。
-好きなことにデザイン力が加わるとどうなる?
たとえ、デザインを仕事ではなく、自分の楽しみや趣味に使うのであったとしても、「こんなふうにしたい」と頭でイメージしたものを、最善の形で表現することができるということですね。この「最善の形」という部分が、デザインを学んだ人と、学んだことのない人の「差」の部分だと思います。
例えばデザイン作品をブログやインスタグラム、フェイスブック、ツイッターなどのSNSに掲載しているとしましょう。ただ自由に表現するチカラを身につけただけでなく、
・どうすれば見る人の目にとまるか、
・どうすれば見る人に興味を持ってっもらえるか、
・どうすれば見た人により印象的に感じてもらえるか
どうすれば・・・この様々な「どうすれば」の答えがわかる自分になること。それがデザインを学ぶということなのです。
小さなその積み重ねが、いつしか「あなた」という世界観となり、他では得られない発信力を手に入れることになります。そうなってくると、きっといろんな面白いことが起こってきますよ。
◾️今の時代、デザイン力で自己表現できるのとできないのとでは大きな差になる
どのSNSを見ていても、見せ方の上手い人はデザイン要素を取り入れて構成しています。ただ片っ端から作品を上げるのではなく、きちんとした戦略を持ってアップしていっていることがわかります。
-デザインって「飾りつける」ことではないんです。
デザインってただ「装飾」することだと思っている人がほとんどですが、本当はそこは最後の部分で、本来デザインって「目的」を達成させるための方法なんです。だから、その部分も学ぶことで「見せ方」「表現」を総合的に見る、考える、企画するチカラが加わることになります。
1つ1つ別個の作品として見せるのではなく、作品を生み出す「あなた」という大きなカテゴリでデザインしていくことで、そこにあなただからこそ生み出せる「世界観」が生まれ、その「世界観」は決して他では手に入らない、見ることのできないあなただけが提供できるワンアンドオンリーの世界となるわけです。
-他では手に入らないということが、どれほど重要か。
お花の世界、アクセサリーの世界、様々な世界で価格破壊が行われています。人よりも安い価格で提供しようと考える人が、自分たちの業界の首をどんどん締めていっているんですね。
デザインの世界でもデザイナーとお客さんをつなぐ様々なマッチングサイトがあり、そこでも同じように価格破壊が行われています。他のデザイナーよりも安い価格でお客さんを集めるデザイナー(?) が多いわけです。
でもよく考えてください。「安さ」を1番の基準としてお客さんに選ばれたデザイナーは、もっと安いデザイナーが出現したとたん、お客さんはそちらに流れてしまいます。それらのお客さんの1番の基準が「安さ」だからです。そこには相対的に他と比べた評価しか存在しません。
だから、私はそこで戦うことほど不毛なことはないと考えています。安いから集まるお客さんではなく、私の「世界観」に共感して集まるお客さんだけでいいと考えています。私の「世界観」に共感して集まるお客さんは、相対的とは正反対の絶対的な評価、つまり他とは比べられない存在として評価してくださり集まってくれているということなんです。
デザイナーになるならないは別としても、様々な業界で、絶対的な評価で選ばれる自分になることは、自分もお客さんもどれほど精神的に満たされることでしょう。そう考えると楽しいし、どんどん夢が広がっていきますよね。
-デザインを学んで自分探しをする。
私のデザインの生徒さんの中には「自分探し」で来てる方もいます。新しい表現方法を手に入れたことで、今まで無かった部分のカテゴリーで自分を表現することができ、羨ましいくらいとっても楽しそうです。
最初の頃はアイデアがあっても、テクニックが及ばず試行錯誤をしていましたが、あるところからだんだん「こんなふうにしたい」と思ったことを形にしていくチカラと、それを最善の形に持って行くチカラがつき、彼女の可愛らしい世界観に、私まで惹き込まれてしまいます。
決して器用な方ではないけれどデザインと真摯に向き合い、日々頑張る姿を見ていると、心から応援したくなります。彼女は確実にファンをこれから先多く持つことになるでしょう。
◾️デザインを学ぶと付いてくる、思いもよらない贈り物とは【まとめ】
デザインは、単なるパソコンでイラストレーターやフォトショップなどの、グラフィックソフトができる人のことではないということが理解できたかと思います。デザインを学ぶことで目的を達成させるための見せ方、考え方ができるようになり、ただ作っている人との差はとても大きいものとなります。
見せ方、考え方ができるようになるということは、物事を戦略的に考える思考ができるようになるということでもあります。自分の作る世界を多くの人を対象に好いてもらうのではなく、一部の人でいいから、その「世界観」に共感してくれる人にアピールすることで、驚くほど様々な展開が可能となってきます。
なぜなら、それらのお客さんは「あなたの世界観」のファンであり、他では得られないものであることを知っているからです。
チョコレートのパッケージのお話の箇所で「デザインができるということは、思い通りにターゲットの行動をコントロールできるようになる」ということだとお伝えしました。コントロールするというと誤解されそうですが、お客さんに正しく知っていただき、理想的な行動をとってもらう道筋をデザインで作ることができる、ということです。
知ると知らないとでは大きく違うデザインの世界。興味を持っていただけましたでしょうか。ぜひデザインを学んでぜひあなたの仕事や人生に生かしてくださいね。
最後までご覧くださりありがとうございました。
ホリマリ (”ー”) XOXO♪
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