こんにちは。「ホリマリ クリエイティブワークス」グラフィックデザイナーのホリマリです。受講生さんからセンスについての質問をいただきました。
「グリーンを重ねることでより素敵なピッチャーアレンジになってきて嬉しいです!今はホリマリさんが手取り足取り丁寧に教えて下さっているので素敵な仕上がりになっていますが、自分で一から描くとなったら、雰囲気を出すための配置が難しいだろうな…と思います。ホリマリさんはどのようにセンスを磨いていらっしゃるのでしょうか?ヒントを教えて頂けると嬉しいです」
質問をありがとうございます。私のセンスの磨き方と、センスそのものの正体について私なりの考えを書いていきたいと思います。少しでもあなたの参考になれば嬉しいです。
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◾️「センスがある」とか「センスがない」ってどういうこと?
センスって何でしょうね。「センスがいい」とか「センスがある」とかよく言いますが、いったいどういうことでしょうか。一般的な考え方として「センスがある」とか「センスがない」とかは、生まれ持ったものという認識が強いように思います。
「生まれ持ったもの」ということは、「センスがない」なんて言われてしまったら「だってしょうがないでしょ、生まれ持って来てなんだから」ということになります。でも、それって本当にそうでしょうか?
以前の記事にも、このセンスについて書いたことがあります。
センスの正体はその人の持つ「知識」です。「センスがない」とよく言いますが、それはそのモノに対する「知識がない」だけです。センス自体はみんな持ち合わせています。センスの悪い人は「センスがない(知識がない)」というセンスを持ち合わせているってことなんですね。
例えば、ファッションのセンスがない人。いつも、何を着ても、オシャレとは程遠くなってしまう。「私にはファッションのセンスが無いから・・・」そう思い込んでいませんか?でも、それは単に上手に着こなすための、様々な知識が無いだけです。色の組み合わせや、全体のバランス、素材の違いや小物の組み合わせ、醸し出す雰囲気やテイスト、いつ、どこで、どんなシチュエーションで着るかのTPOなど・・・上手に着こなすために必要な知識はまだまだたくさんあるはずです。
オシャレな人が普段、何も考えないでもオシャレに仕上がるのは、ファッションの最低限の原則を知識として知っているからであり、そこにその人らしい様々なエッセンスの加え方を研究しているからに他なりません。つまりどれだけそのモノについての知識があり、その知識を使いこなせているかでセンスの良し悪しが決まるわけです。
【デザインを学ぶ】デザインを仕事や人生に生かしたい方へ
これが私のセンスに対する考え方です。
センスって持って生まれた部分よりも、自分が生きてきた中での経験と知識で磨かれていく部分が圧倒的に大きいと思います。ですので日常生活の中で、ものの見方を変えるだけでセンスを育てていくことが可能ということになります。私は長い間その方法で自分のセンスを磨いてきました。
◾️ ホリマリが行っている「センスを磨くための具体的な方法」
では、どのように意識してものの見方を変えればよいのでしょうか。私の行っている方法はとてもシンプルで、「分析を行う」ということを一番大事にしています。
例えばお散歩の途中で可愛らしい花に出会った時、「可愛い〜」とみんな感じますよね。私はそこから「なんで可愛いと感じたのか?」という部分を観察しながら掘り下げて「言語化」していきます。スマホで写真を撮ってメモに貼り付けたり、「可愛いと感じたのはなぜか?」ということをメモに書いていきます。そうすることで「可愛い」と感じた感情を具体的な情報として自分の中に落とし込める訳ですね。これが私にとっての「分析」です。
この方法はとてもシンプルですので、日々いろんな場面で収集することができます。感情が動いた瞬間や心が震えた瞬間に、すぐその場で「分析」が可能ですので、長く続けることができてきました。
感じることは可愛い以外にも、綺麗や美しい、懐かしい、ノスタルジーを感じる、嬉しい、楽しい、悲しい、寂しい・・・など、さまざまな感情があります。それらを感じた時に分析することで、いろんな気持ちの「情報」がどんどん溜まっていきますね。
◾️ 分析しなかった感情は記憶には残るが細部がぼやけている
あなたは「分析しなくても思い出せるのでは?」と不思議に思うかもしれませんね。私も最初はそう思っていました。
だけど実際、それをデザイン上に再現しようとした時、「可愛いお花があった」という記憶は確かにあるのですが、どのように可愛かったのか? なぜそう感じたのか? など、肝心な部分が具体的に思い出せないという事がわかりました。
「可愛い〜」と思っただけで分析をしていないので、それをイラストなどに再現しようとしても「具体的にわからない」「形にできない」ということに気づいて以降、私は感情が動いた瞬間や心が震えた瞬間に、すぐその場で「分析」を行うようになった訳です。
◾️分析した情報は「知識」から「センス」に変換する
私がプチデザイナーコースの中で、位置を微調整する時や、配置場所、お花や葉っぱの向きなどを細かく説明する場面が多々あります。今まで蓄積してきた「可愛い」や「素敵」「綺麗」などの分析情報をいっぱい持っているので、具体的に「こうした方が素敵」というイメージが明確になるからに他なりません。それらが私の「センス」の正体です。
受講生さんから「ホリマリさんの作品はとても細かい作業の積み重ねで繊細に作られていることがよく分かりました。」と言っていただけるのも、「ホリマリさんのデザインに対する考え方を伺ったり、細やかな気配りに溢れた制作過程を見ることが出来たのも貴重な体験でした。」と言っていただけるのも、全ては「分析」を行い「知識」を積み重ねているからです。
そして「ホリマリさんは、ちゃんと理屈を話してくださるので、納得しながら進められています。」という感想をいただけるのも「分析」から得た「知識」のおかげです。
例えばお花の配置や表情、花首のかしげ方、葉っぱの揺れ方、空気の通り道など、私が心を掴まれた素敵なポイントを「分析」して「知識」に変換し、それを詳しくみなさんにお伝えしている訳ですね。それらにはみんな「なぜ素敵か」「なぜそう配置すると可愛く見えるのか」という理由がしっかりあるので、ただ配置して見せるだけではなく、そう配置する根拠や理由も受講生さんにお伝えすることができるわけです。
◾️「センス」を持つことの1番重要なポイントとは
ここで疑問に感じるかもしれないのは、例えば「可愛い」とか「素敵」と感じる感情は、人それぞれ違うのでは?ということですね。
はい、その通りです。みんなそれぞれ感じ方は違います。でも、それでいいんです。あなたはあなたの、私は私の感じるままに分析して知識に変換していけばいいんだと思います。それこそがオリジナリティであり、その人だけが持つ個性なのですから。
これがもし「可愛いはこうでなければならない」「素敵とはこうあるべき」という教科書があったとしたら、頑張って教科書通りの知識をたくさん得たとしても、それでは「みんな同じ知識」=「同じセンス」ということになってしまいます。
「同じ知識」=「同じセンス」を持ったたくさんの「マニュアルセンス」の人は、同じ絵を書き、同じ服を来て、同じことを話すでしょう。確かに一定の「センス」は持てるかもしれませんが、そこから得られるものは当たり前のつまらないものでしかありません。
「センス」を持つことの1番重要なポイントは、私は「個性」だと思います。あなたが自分自身で「見て」「感じた」ことから得た知識から成る「センス」でなければ意味がないのです。
そうでなければ、ホリマリから学びたいという人はいないはずです。
他では学び得ない表現だからからこそ、私のところに来てくれるのだと思います。
◾️センスの磨き方とその正体 まとめ
- センスの正体はその人の持つ「知識」。どれだけそのモノについての知識があり、その知識を使いこなせているかでセンスの良し悪しが決まる。
- センスは持って生まれた部分よりも、自分が生きてきた中での経験と知識で磨かれていく。
- ホリマリが行っているセンスを磨くための具体的な方法は「分析を行う」こと。「分析」して「知識」に変換している。
- 「分析」は感情が動いた瞬間や心が震えた瞬間に「なんでそう感じたのか?」という部分を観察しながら掘り下げて「言語化」していくこと。
- 写真を撮ってメモに貼り付けたり、「そう感じたのはなぜか?」ということを記録していく。そうすることで、感じた感情を具体的な情報として自分の中に落とし込むことができる。
- 「分析」はシンプルなので、日々いろんな場面で収集することができる。
- 感情が動いたのに分析をしなかった場合、必要な時に肝心な部分が具体的に思い出せない。なのでデザインする時に再現も応用もできない。
- 今まで蓄積してきた分析情報をいっぱい持っているので、デザインする時に具体的に「こうした方がいい」というイメージが明確になる。
- 感じ方は人それぞれなので、自分の感じるままに分析して知識に変換していけば良い。
- 「センス」を持つことの1番重要なポイントは「個性」。自分自身で「見て」「感じた」ことから得た知識から成る「センス」でなければ意味がない。
最後までご覧くださりありがとうございました。あなたのオリジナリティあふれる素晴らしいセンスが、さらに磨かれていく事を心から願っています。
ホリマリ (”ー”) XOXO♪
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