
こんにちは。「ホリマリ クリエイティブワークス」グラフィックデザイナーのホリマリです。受講生さんからミモザのデザインについての質問をいただきました。
「ミモザができました! わかりやすく教えて頂きながらかわいいものを作るのはとても楽しいです。でもお手本と比べると花の部分は同じ数の丸を使ってるはずなのに、ゴージャスなふっくら感が足りない気がします。そこにミモザのかわいらしさをもっと割増してあげたいです。何を意識したらそうなるのでしょう」
質問をありがとうございます。ミモザをもっと「ミモザらしく」「かわいらしく」するための私なりの制作ポイントを書いていきたいと思います。少しでもあなたの参考になれば嬉しいです。
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◾️観察すると見えて来るミモザ(描きたいモノ)の特徴
ホリマリが何か植物などのモチーフをデザインする時には、そのモチーフを観察することからスタートします。今回ならミモザですね。まずミモザをしっかりと観察し、どんな植物なのか特徴を言葉にして書き出していきます。
実物が手に入る季節なら実物で、それが無理な場合は手持ちの植物図鑑や、インターネットを利用して探した写真から観察します。

私はAdobe Stock(アドビ ストック)という有料サービスを契約しています。写真、ビデオ、オーディオ、イラストなどのストックサービスで、世界中から集まった素材が約3億点もあります。クオリティーの高いミモザの写真をいろんな角度や、近寄って撮影されたものなどをダウンロードして観察します。そして観察からわかった特徴を具体的に言語化していくわけですね。
特徴を知らずにミモザを作るとテクニックだけの習得になりますが、特徴を知って作ると「実物をどのようにデフォルメすると、思い描くイラストになるのか」という一歩先の学びが得られますね。そういう意味では、今回のミモザをもっと「ミモザらしく」「かわいらしく」するためのヒントもそこにあると思います。
実物のミモザは想像していたのとはぜんぜん違う
どのモチーフでもそうですが、頭で思い描いていた姿と実物は、ぜんぜん違う場合が多いです。なぜなら想像していた姿は、どこかで見た記憶を頼りに思い描いていることがほとんどだからですね。しかも「どこかで見た」ものは実物ではなく、イラストや絵かもしれません。なので、実物を見た時にそのギャップに驚きます。

ミモザもそうです。丸い黄色い花の集合のように描かれることが多いミモザですが、実物はただの丸ではありません。細い糸のような細かい花弁の集合体です。それを知っていてミモザをデザインするのと、知らないでデザインするのとでは大きな差が生まれるのは確かな事だといえます。
◾️特徴を知ると「実物をどのようにデフォルメしてデザインすればいいか」を分析できる
実物を観察してから、デザインに落とし込むまでの過程は、別の記事で詳しく書いています。モチーフの分析方法から、デフォルメしてデザインになるまでのホリマリの制作工程を合わせてご覧ください。

デフォルメされてデザインモチーフとなったミモザですが、制作工程でさらに意識するべきポイントがあります。最初の質問の中にあった「お手本と比べると花の部分は同じ数の丸を使ってるはずなのに、ゴージャスなふっくら感が足りない気がします」という現象になるのは、制作工程の中で肝心な部分に意識が向かなかったから起こります。
◾️ミモザをもっと「ミモザらしく」「かわいらしく」するポイントとは?
ミモザの生花は黄色いお花1つ1つが、かなり密集して咲いています。「知ってます」と言われそうですが、実はここがポイントなんです。イラストにした時にその「たわわ」感を出すために、黄色の丸と丸の隙間を、意識的に少なくなるようにデザインすることで、より「生花」の生き生きしたミモザらしさが生まれます。

頭の中ではミモザの黄色いお花1つ1つが、かなり密集して咲いていることは知っていても、知っているだけで「意識」して表現に取り入れなければ、「生花」の生き生きした「ミモザらしさ」は生まれません。言い方を変えれば、密集させずに黄色の丸と丸の間を開き気味に作ってしまうと、その印象は「生花」ではなく「ドライフラワー」に近くなってしまいます。
ドライフラワーは生花を乾燥させて作ります。乾燥させると花は水分が飛び、硬くなり、縮むわけですね。黄色い花の数は同じでも、1つ1つが縮んで小さくなるため、丸い花と花の間隔が開いて見えるわけです。ですので、ミモザのイラスト制作で花と花の間隔を意識せずに作ってしまうと、隙間のあるドライフラワーのようなデザインになるわけですね。

たったそれだけの事ですが、仕上がりを見た時に生き生きと見えるか、寂しそうに見えるかでは、天と地ほどの違いが生まれてしまいます。
◾️ドライフラワーのような印象自体が悪いわけではない
ここまでのお話は、質問者の「ミモザのゴージャスなふっくら感が足りない気がします。そこにミモザのかわいらしさをもっと割増してあげたいです」という要望を実現させるための考え方です。
なので、ドライフラワーのような印象自体が悪いわけでは決してないです。最初からドライフラワーのような儚い印象にするために、黄色の丸と丸の間を開き気味にデザインするという表現ももちろん素敵ですね。
つまりどのような仕上がりにしたいのか、最初にしっかり想定することがとても重要だということが言えます。その表現のために必要な情報収集を行うことができるからですね。
◾️ミモザのデザインのかわいらしさを割増してあげるには何を意識したらいいの? まとめ
どのようなモチーフであったとしても、そのモチーフに興味を持ち、特徴をしっかり分析することが、表現したい形にデザインする1番の方法だと思います。そしてそのモチーフを使って表現するあなたの世界観は、どれだけそのモチーフに興味を持って自分らしく分析したかで、奥深さと独自性を秘めたものとなることでしょう。

「かわいい」「〜らしい」表現だけでなく、美しい、儚い、寂しい、悲しい、懐かしい・・・もっと、さまざまな表現ができるということを知って欲しいと思います。

最後までご覧くださりありがとうございました。
ホリマリ (”ー”)XOXO♪
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